2009年10月04日

過小評価されてない? イエスのアラン・ホワイト

イエスの話題でもうひとつだけ。
前々から気になっていたのですが、イエスのドラマーであるアラン・ホワイト(Alan White)って、何だか過小評価されていません? 前任のビル・ブラッフォード(Bill Bruford)の方がよかった。彼が叩いていたら、もっといい作品になったといった具合に。

アラン・ホワイト(Alan White)
1980年のアラン・ホワイトです。
この頃はまだ精悍な感じです(笑)
クリックするとアラン・ホワイトのオフィシャル・サイトへ。


もちろん、ブラッフォードのあの独創的なスタイルは文句なしに素晴らしいけど、ホワイトにはブラッフォードにはない持ち味がありますよね。
最近の僕の好みでいうと、むしろホワイトの方がお気に入りです。彼のドラムってプログレらしからぬ粘りのあるグルーヴがあってとても気持ちいいんですよね。ファンキーなノリがあるところがとても魅力的です。
バーナード・パーディみたいに、ハイハットの開け閉めとベースドラムのコンビネーションでアクセントつけるあたりなんか好きですねー。

個人的には、例えばダニー・ハサウェイ(Donny Hathaway)の「ライヴ(Live)」なんかで聞くことができるような、ブラック・ミュージックにも通じるリズム感をもっているドラマーだと思っています。

ダニー・ハサウェイ(Donny Hathaway)
Live / Donny Hathaway
ライヴならではの空気がたまらない名作中の名作!
ちなみにドラマーはフレッド・ホワイト(Fred White)
おぉっ、ホワイトつながりです。
アランもこういう系統のドラムじゃない?


それと、評論家やファンから、ときどき「『リレイヤー』のドラマーがビル・ブラッフォードだったらな良かったのに」といったようなコメントが出されますが、なんだか違和感を感じますねー。
僕にとっては、「リレイヤー(Relayer)」の大きな魅力は、ジャズ・ファンク風シンフォニーであることです。つまり、ファンクの感覚を持ち合わせたアラン・ホワイトが叩いているからこそ素晴らしい作品に仕上がった、というのが僕の解釈です。

こんなこと書いたらクリムゾンファンやブラッフォードファンに怒られそうですが、70年代のクリムゾンの名即興演奏曲「アズベリー・パーク(Asbury Park)」のドラムがアラン・ホワイトだったらなぁと思うことはありますね(笑)。
posted by じ・えっじ at 00:21| Comment(1) | TrackBack(1) | Rock | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月27日

イエスの「時間と言葉(Time and a word)」は失敗作?

マイブームになったイエスがらみでもう少し書いてみたいと思います。
「時間と言葉(Time and a word)」といえば、世間ではイエスの中でも評価の低いアルバムのひとつです。

例えば、音楽評論家の片山伸氏は、「レコード・コレクターズ」2003年3月号のディスコグラフィーで、このように解説しています。

イエスはこの2作目でオーケストラを使用するという、大きな挑戦に出た。(中略)まさにロックとクラシックの融合という売り文句を作るには好都合だったのだが、斬新なアイデアに溢れている反面、それが逆効果にも聞こえる中途半端な作品となった。世界最小のロック・オーケストラと呼ばれたイエスに対しては失敗だったといわざるを得ない。


なかなか辛口です(^_^;
でも、そこまで言い切れるほどひどい作品とはとても思えないなぁ。

個人的には、その後のシンフォニックロック路線を決定づけたアルバムだと思っています。このアルバムでの試行錯誤の結果が、次回作からのいろいろな音楽的要素を組曲形式でまとめあげるアプローチに結びついたんじゃないかと思います。
後に編集技術でもって、それだけでは曲にはなりきらない断片的な要素をつなぎあわせることで、曲作りに多大な貢献をするエディ・オフォードも、このアルバムから参加していますし。

アルバムYesとTime and a word
SHM-CD盤を買ってからよく聴くようになったファースト”Yes”とセカンド”Time and a word”
黄金期のイエスとは趣が異なるちょっとシュールなジャケットデザインが素敵(^-^)


ファースト・アルバムを推す論評はしばしば見かけますが、僕はむしろセカンドの方を推したいですね。ファーストの、古き良き60年代ポップスみたいな雰囲気(イエスにしては甘くダンサンブル!)を感じさせるところも魅力的ですが、いかにもポスト・ビートルズって感じで、イエスらしさとはちょっと違う気がするのです。

一方セカンドはというと、例えばThenなんかは、まさにその後のイエスのプロトタイプともいえるような曲だって思ってます。静と動のあるダイナミックな曲展開、ベースを軸に各パートが絡み合うようにして疾走していくイエスならではのグルーヴ感など、イエスの魅力が詰まっています。

片山氏に限らず、よく失敗の要因として、オーケストラの起用をあげる評論家がいますが、むしろ案外違和感なくオーケストラとバンド演奏が同居しているように聞こえます。曲によっては、オーケストラのこのフレーズは、ウェイクマンやモラーツが弾いたら、まさにイエスだなって感じさせるところもあります。

あくまで想像ですが、メンバーの間でも(特にジョン・アンダーソンのなかでは)、まだまだ未成熟だけど、オーケストラが奏でるシンフォニーみたいなロックを目指す方向性は間違っていないという手応えみたいなものがあったんじゃないかって思います。
S&GやCSNと同じくらいにシベリウスやストラヴィンスキーを愛するジョン・アンダーソンが描くイエスの姿が、いよいよ形を現し始めたといったところでしょうか。
posted by じ・えっじ at 12:55| Comment(0) | TrackBack(0) | Rock | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月23日

イエスの「紙ジャケ+SHM-CD」盤を聴く

さてさて、1年と3ヶ月ぶりぐらいにブログを更新したいと思います。f(^ー^;
まずは、ここ最近、マイブームになったことから。

大好きなロックバンド、イエス(Yes)のアルバムがまたまた再リリースしました。今度は、紙ジャケ+SHM-CD仕様で。
再リリースされた当時は、「また買い換えさせるのぉ〜?」とあまり気分が乗らなかったので、とりあえず、リマスター前のCDしか持っていなかった、「イエスショウズ(Yesshows)」だけを購入。

イエスショウズ(Yesshows)
あまり注目されませんが、お気に入りです。特にパトリック・モラーツ在籍時代の白熱した演奏が素晴らしい〜。

で、しばらく封も空けずに置いておいて、いざ聞いてみたら、「おぉ! 音がきれい!」。
1曲目の「Parallels」は、アラン・ホワイトのトップ・シンバルの音がクリアだし、以前は奥まっていたボーカルの音がよく聞こえる。
一番ドキッとしたのが、リック・ウェイクマンのミニ・モーグソロ。ブィーンとすごく伸びやか。
96年のリマスター盤も、2001年のHDCDリマスター盤も持っていなかっただけに、その音質の違いにびっくりしました。

加えて、イエスを特集した「ストレンジデイズ」を読んでいたら、かの問題作「海洋地形学の物語(Tales from topographic oceans)」は、SHM-CDでより高音質が期待されるといったようなことが書かれていました。そんなわけで、なんだか他のも欲しくなっちゃって、再び店頭に行ってみると…。

あれ?どこのお店も品薄状態!
「海洋地形学〜」と「リレイヤー」は手に入ったけど、大のお気に入りの「危機(Close to the edge)」と「イエスソングス(Yessongs)」がなーい。(>_<)
ダメもとで、取り寄せをしたら、後日「メーカーに在庫は無かったのですが、予約キャンセル分がありました」との電話連絡があり、無事入手。ふぅ〜、よかった、よかった。(^_^;)
まあ、冷静に考えれば、見事レコード会社の術中にはまっているんですけどね(笑)

イエスの名盤(危機、イエスソングス、海洋地形学の物語、リレイヤー
イエスといえば、やっぱりこの4枚でしょう。僕にとってのディズニーランドのようなものです。

さて、音質はどうだったかというと、「危機」と「イエスソングス」は、あまりよくなった感じがしないなぁというのが正直な感想です。

「危機」は、2003年のライノによるリマスタリングをはじめて耳にしたときのような感動は味わえませんでした。逆に言えば、それだけ、ライノのリマスタリングが完成度の高いものだったということでしょう。

「イエスソングス」は、ライノによる復刻盤のラインナップに含まれていなかったので、どんな音になっているか一番楽しみにしていたのですが、「あれ?」と拍子抜けするぐらい、HDCD仕様のリマスタリング盤と変わらないテイストです。ちゃんと聞き比べしたわけではないので、断定はできないですけど。
おそらくマスターの音自体が、残響が強くてグシャっとした感じで、それ以上きれいにできないのかもしれませんね。あるいは、ライノほど思い切ったリマスタリングができなかったのかもしれません。

今回のSHM-CD盤で一番感動したのは、「海洋地形学〜」です。
もともと数あるイエスのアルバムの中でもハイレベルな音質のようで、それが、SHM-CDによって見事に再現されたということでしょう。

音質が良くなって思ったことは、これは名作だということ。今まであまり好きになれなかった2・3曲目のThe RemeberingとThe Ancientの印象が変わりました。特に2曲目がとてもいい曲だってことに気がつきました。(*^^)v

スティーリー・ダンのSHM-CD盤でも感じたことですけど、SHM-CDは、音の響きがよくなり、その分音に立体感が出るようです。特にボーカルと打楽器の音を豊かに再現してくれるような気がします。

「海洋地形学〜」は、最もロックからはみ出た作品で、使われている打楽器の種類がすごく豊富。彩り豊か打楽器群が織り成すリズムは「海洋地形学〜」ならではの魅力だと思います。アジア系?の金物が、シャンシャン、チャカチャカ鳴ってるし、コンガまで入ってアフロビートの趣まであるのがいいですねぇ。(^-^)

それと、アンダーソン+スクワイア+ハウの三声ハーモニーがよ〜く味わえるアルバムでもあります。さらにミニモーグとメロトロンが最も活躍しているアルバムでもあります。太っといミニモーグの音がさらに太っとくなってます。

というわけで、「海洋地形学〜」の魅力を発見できたという意味で、お金はかかりましたがSHM-CD盤を買ってよかったなと思ってます。

そうそう、SHM-CD盤のSound Chaserが、またまたすごいのです。パトリック・モラーツのエレピ&ミニモーグとアラン・ホワイトのドラムがより一層生々しい音になってます。
posted by じ・えっじ at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | Rock | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月08日

夏場のおすすめスポット 西沢渓谷

関東は梅雨入りしたそうです。
思えば4月、5月は気持ちのいい季節なのに、ハイキングに行く機会を逃してしまいました。
本当は行きたかったのですが、ちょうど仕事の忙しい時期が重なってしまって…。とほほ。

梅雨が明ければ夏山の季節です。
以前このブログに大菩薩峠のことを書きましたが、記憶がなくなってしまう前に昨年夏に行った西沢渓谷も書いておこうと思います。
夏場にはとてもいい場所です。涼しいし、結構平坦な道のりなので歩きやすくて体力は消耗しないし。

西沢渓谷 二股吊り橋
二股吊り橋

西沢渓谷
お母さんに連れられて小さな男の子が僕の少し前を歩いていました。
木の杖をついているのがかわいかった。


西沢渓谷ではとにかくたくさんの滝を目にすることができます。
それと、琥珀色に輝く水がとてもきれいです。
大きな岩場でお弁当を広げるというのもいいでしょうね。

西沢渓谷 三重の滝
三重の滝(その1)

西沢渓谷 三重の滝
三重の滝(その2)

西沢渓谷 竜神の滝
竜神の滝

西沢渓谷 貞泉の滝
貞泉の滝

西沢渓谷 母体渕
母体渕

西沢渓谷 七ツ釜五段の滝
七ツ釜五段の滝(その1)

西沢渓谷 七ツ釜五段の滝
七ツ釜五段の滝(その2)
これぞ自然の造形美!

posted by じ・えっじ at 01:29| Comment(0) | TrackBack(0) | ハイキング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月03日

このミステリーは本当にすごい?

僕は本を探すときにわりとガイド本とか書評を気にします。別冊宝島に『このミステリーがすごい』というなかなか参考になりそうな本があったので購入しました。
この本には、「過去20年でもっとも面白かったミステリー&エンターテイメント」という特集があって、これにつられて買ったわけです。

このミステリーがすごい


さて、気になる国内編の順位はというと、

1位 火車(宮部みゆき)
2位 生ける屍の死(山口雅也)
3位 魍魎の匣(京極夏彦)
3位 私が殺した少女(原ォ)
5位 新宿鮫(大沢在昌)
6位 ダック・コール(稲見一良)


となっています。
(7位以降は省略しましたが、Wikipediaにも転載されてます。→Wikipediaの記事
でもって、上位の本の中から、解説を読んで自分に合いそうな『私が殺した少女』『新宿鮫』『ダック・コール』の3冊を選びました。

では、実際に読んでみてどうだったかというと、まだ『私が殺した少女』しか読破していませんが、「えっ? これが名作なの?」という感じです。
読んでて眠くなるとか途中で飽きるようなことは決してなかったのですが、「すごい」とまでは思えませんでした。

意図せず事件に巻き込まれて格闘する主人公、難航する捜査、ごたごたした警察の内情、どんでん返しの結末などなど「ミステリー臭さ」にあふれています。人によってはそれが魅力なのでしょうが、僕にとっては、あまりにもミステリー然としているとでもいうのでしょうか、そこにかえって物足りなさを感じてしまいます。

私が殺した少女
私が殺した少女/原ォ(早川文庫)

と同時に、そもそも買った宝島別冊は本当にあてになるのだろうかという一抹の不安も込み上げてきました(^_^;)
というのは、1位の『火車』は友人に勧められてだいぶ前に読んだことがあるのですが、あまりピンとこなかった経緯があるからです。

宮部みゆきってすごい人気がありますよね。身近なところでも宮部みゆきが好きという声は聞きます。
だから『火車』がたまたま合わなかったのだろうと思って、その後『理由』を読んでみたのですが、これまたピンと来ない。両方ともよく練られたストーリーなのですが、どうも自分を引き込ませるようなものがないのです。

話をもとにもどして、もう少し『私が殺した少女』の感想を書いておきたいと思います。
最後のどんでん返しについていえば、ミステリー小説としては大いにありなんだけど、なんかリアリティーに欠けるような気がします。伏線らしいものがあまりないので結構唐突な感じがします。

主人公の探偵が犯人を捜す過程に、ストーリーの大部分が費やされていて、殺人を犯した張本人とその周囲の人たちの描写があっさりしてる点が特に気になりました。尋常じゃない事件なのですが、その異常性に対しては作者自身があんまり関心がなかったようですね。
こういう事件なら、普通の人が常軌を逸した行為に突っ走っていく恐ろしさにスポットを当てる書き方の方が、僕は好みです。例えば桐野夏生みたいにね。

こんな批判じみたことばかり書いてしまいましたが、おもしろかった点もありました。主人公が暗闇の中でこの先に何があるのか探ろうとするシーンの緊迫感は見事です。まさに手に汗握るシーンです。

さてさて、同時購入した『新宿鮫』と『ダック・コール』はどうでしょうか。
違う本を読み始めちゃったのでそのうちチャレンジしてみます。
posted by じ・えっじ at 00:09| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月01日

ブルーノ=レオナルド・ゲルバーのオペラシティ公演

最近はベートーヴェンのピアノ・ソナタをよく聴いています。たぶん自宅でもiPodでも一番よくかけていると思います。
一頃はクラッシック音楽なんて退屈だ、ジャズやロックの方が自分の性に合っていると思っていたのですが、何となく手にしたアンドラーシュ・シフの「ゴルトベルク変奏曲」に触れて以来、クラシック音楽っていいもんだなぁって思うようになりました。

お気に入りのピアニスト、アンドラーシュ・シフがベートーヴェン・ピアノ・ソナタ全曲録音に取り組んでいることから、自然と関心はベートーヴェンに向かいました。

そんななか、ブルーノ=レオナルド・ゲルバーというピアニストが、なんとベートーヴェン・ピアノ・ソナタだけのプログラムで日本公演を行うのを知りました。もともとクラシック音楽ファンでない僕は、ゲルバー?、誰?、このピアニストいいの?と何の予備知識もなかったのですが、プログラムに惹かれて5月29日チケットを購入しました。

プログラム:
1.ピアノ・ソナタ第14番《月光》
2.ピアノ・ソナタ第21番《ワルトシュタイン》
3.ピアノ・ソナタ第8番《悲愴》
4.ピアノ・ソナタ第23番《熱情》

東京オペラシティコンサートホール入口
リサイタルの会場、東京オペラシティ・コンサートホールの入口。
入口を入るときはいつもわくわくします。


で、実際の演奏はどうだったかというと…。
全体的にせわしない演奏。これが率直な感想です。
なんか、左手と右手のそろえるべきところがそろっていない感じもしたし、ためなのか、もたつきなのかよく分からないようなしっくり来ない部分も結構ありました。

1曲目の《月光》の第1楽章はオーソドックスに弾きこなしていたし、テンポが速めで力強い第2楽章なんかはとてもよかった。でも第3楽章からは、あれれ?気持ちの入れ込み具合とは裏腹に指がついて行かない、そんな感じでした。足が不自由なのも影響していたのでしょうか。
僕自身がお気に入りでよく聞き込んでいるせいか、次の《ワルトシュタイン》は、特にせわしなかった。

ふぅ、期待していたのになぁ。ちょっとがっかり。そんな気持ちで休憩に。

東京オペラシティでのエスプレッソ&アイス
東京オペラシティでは、休憩時間はいつもエスプレッソ。
この日はハーゲンダッツのアイスクリームも一緒に。


休憩明けの《悲愴》はまあまあだったかな。
ラストの《熱情》は、ゲルバーのお得意の曲なのでしょうか、この日の演奏で一番まとまっていたと思います。《熱情》というタイトルのとおり、ガンガン弾いてました。

全体として、僕にとっては満足の行くリサイタルではありませんでしたが、でもオーディエンスの拍手はかなりのものでした。
パンフレットのプロフィールを読む限りベートーヴェン弾きとしてはかなり評価の高い演奏家のようです。本来の演奏はもっといいだろうと思ったので、帰りにタワーレコードに寄ってゲルバーのCDを買いました。ちなみに帯には「レコード芸術特選」「ADFディスク大賞受賞」なんて書かれていました。しかも安い! なんと1,050円!!

ブルーノ・ゲルバー/ベートーヴェン
BRUNO-LEONARDO GELBER
BEETHOVEN PIANO SONATAS (DENON)


CDは翌日聴いてみましたが、好みではありませんが確かにとてもしっかりした演奏。力強く重厚でいかにもベートーヴェンらしい演奏です。結構テンポも速くて、調子の良し悪しにかかわらずもとからガンガン弾くタイプのようです。
このCDレベルは無理にしても、それに近いぐらいの演奏が聴ければよかったのですが、体調、精神状態、ピアノの調子、会場の雰囲気などもろもろの影響でそうはいかないですね(笑)まあ、それが生演奏の醍醐味なのですが。
posted by じ・えっじ at 01:39| Comment(0) | TrackBack(0) | Classical | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月27日

スティーブ・ライヒ来日公演

とても久しぶりにブログを更新します。
気がつけば3ヶ月間も放置してしまいました(^_^;)

最近行ったコンサートのことを書こうと思います。
東京オペラシティでは5月21日から25日にかけて「コンポージアム2008」という音楽フェスティバルが開かれたのですが、僕は21日のスティーブ・ライヒ(Steve Reich)のコンサートに行きました。

(スティーブ・ライヒってどんな人?→Wikipediaによる解説

ミニマルミュージックは以前からちょっと関心のあったのですが、生演奏!を聴くのはその日が初めてでした。チケットは1万円と少々高かったのですが、とても満足の行くコンサートでした。

スティーブ・ライヒ来日公演 演奏曲
21日の演奏曲。NHKの「芸術劇場」で放送されるそうです。違うアングルでまた楽しめるのでうれしいですね。

1曲目の「ダニエル・ヴァリエーションズ」は正直あまりピンと来なかったのですが、2曲目の「18人の音楽家のための音楽」は実に素晴らしかった!
この曲、文句なしの名作だと思います。聞き手のイマジネーションを広げてくれる、そんな曲です。もちろんこの曲だけではありませんが、ミニマルミュージックと呼ばれる音楽によって、音楽が描くことのできる世界が広がったことは間違いないでしょう。

STEVE REICH  Music for 18 Musicians
STEVE REICH / Music for 18 Musicians

僕の大好きな映画のひとつに宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」がありますが、この映画の音楽は見事に映像を引き立てています。この映画をはじめて見たのは確か小学5年生だったと思いますが、久石譲が作曲した音楽とともに腐海に覆われたナウシカの世界に引き込まれました。
今聴いても、ミニマルミュージックの作風を取り入れた腐海のシーンの幻想的かつ神秘的な音楽は、素晴らしいなって思います。

風の谷のナウシカ サウンドトラック
久石譲 / 風の谷のナウシカ〜はるかな地へ〜(オリジナルサウンドトラック)

さて、話をスティーブ・ライヒに戻して僕なりに「18人の音楽家のための音楽」がどんな感じかを表現するとすれば、「呼吸するような音楽」でしょうか。現代音楽にはとっつきにくいイメージがありますが、この曲は旋律がとてもきれいで親しみやすいです。癒し系とは言わないまでも、教会音楽のような透き通るような響きがあってとても心地よいです。シェーカーが入るあたりなんかは結構ポップでもあります。

「18人の音楽家のための音楽」は、加えて視覚的にもおもしろいのです。楽器の並べ方もユニークだし、演奏中に奏者が入れ替わる点もおもしろい。常に18人全員で演奏してるわけではなくて、ピアノとマレット系の演奏家は一カ所にとどまらずに楽器間を移動したり、時にはステージの袖の方に座って待機したりします。

それから、この曲はCDで以前から耳にしていたのですが、電気・電子楽器あるいはテープによるコラージュで奏でられていたと思いこんでいたものが、実は生楽器だったり生演奏だったりして驚きました。
ブ・ブ・ブ・ブ・ブ・ブ・ブ・ブ…という反復音はバスクラリネットで吹いていたのかぁ。

それにしても演奏者の集中力にはすごいものがあります。ステージ左奥のピアノを弾いていた赤いチョッキを着た人なんかは、15分ぐらい同じフレーズを弾いていたのではないでしょうか。
まるでからくり人形のようでした(笑)

ミニマルミュージックはくせになる音楽かもしれません。コンサートに行って以来、「トゥットゥルル・トゥルットゥトゥ×3+トゥットゥルル」のフレーズが頭の中で鳴り響いています。

少々余談になりますが、スティーブ・ライヒのコンサートをきっかけに、1980年代のキング・クリムゾンを再びよく聴くようになりました。ミニマルミュージックの感触をロックのテイストでうま〜く表現しています。
テクノではミニマルミュージック風はいくらでもあるけど、ロックのフィールドでミニマルミュージック風ってあんまりないですよね(ミニマルミュージック風テクノの味付けをしたロックは多いかも)。その意味で独創的だと思います。

King Crimson  Absent Lovers
King Crimson / Absent Lovers―Live in Montreal 1984
メカニカルでありながらとてもグルーヴィー。この頃のCrimsonが一番よかったかな。
posted by じ・えっじ at 01:31| Comment(0) | TrackBack(0) | Classical | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月17日

『20世紀少年&21世紀少年』ってなんだか「あやうし!ライオン仮面」…。

近所のBOOK-OFFに行ったら、『21世紀少年 下巻』があったので購入しました。
『20世紀少年』は、10巻ぐいらいまではこんなにおもしろい漫画はそうそうないぞと思うぐらい夢中になっていましたが、その後は巻を追うごとにつまらなくなりましたね。

21世紀少年

作者の浦沢直樹と編集者の長崎尚志の二人は、練り練ってストーリーを組み立てたのかもしれませんが、僕には連載が続くように無理矢理引っ張っているように感じられました。
「ようやく終わったかぁ」というのが率直な感想です。

深読みできる人とっては、作者の狙いどおりの展開ともとれるのですが、おもしろくなかったら作品のテーマも台無しですね。
作品のテーマについて言えば、この方のレビューは一読の価値ありです。人をうならせるものがあります。

「21世紀少年」最終回を読み終えて

まあ、僕にとっては、人類滅亡計画を首謀する”ともだち”が一度死んでその後復活するとか、滅亡計画のもとになった”よげんしょ”には実は”しんよげんしょ”という続きがあるとか、クライマックスに向かっていると思いきやスタートラインに戻すような展開は、ちょっといやらしかったです。

悪く言えばだんだん作品自体が、”ともだち”の人類滅亡計画と同じく茶番っぽくなっちゃった感じがします。
終わりの方は、”ともだち”と闘うケンジの側までごっご遊びっぽく見えちゃって、ヒロイックな台詞に重みがなくなっちゃいましたね(^_^;)

もしかしたら、浦沢直樹と長崎尚志は、ドラえもんの「あやうし!ライオン仮面」状態だったのかも。
最終回を読み終えて、ふと思い出しました。
ライオン仮面がやられてどうなるかと思ったら、弟のオシシ仮面が登場。オシシ仮面がやられたら今度はそのいとこのオカメ仮面が登場ってね(笑)

ドラえもん「あやうし!ライオン仮面」のあらすじ紹介記事1
ドラえもん「あやうし!ライオン仮面」のあらすじ紹介記事2

ところで、ドラえもんってほろっとするいい話もあれば、「あやうし!ライオン仮面」みたいなちょっとブラックでユーモアあふれる話もあって好きですね。「うつつまくら」なんかもすごく気に入ってます。

ドラえもん「うつつまくら」のあらすじ紹介記事
ドラえもんの道具「うつつまくら」の紹介記事
posted by じ・えっじ at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月16日

映画「潜水服は蝶の夢を見る」を見ました

ニュース23の映画特集で紹介されていたのと、NHKのドキュメンタリー(内容は脳疾患からの回復がテーマでしたが)でちょっと触れられていたのがきっかけで、この映画を見に行くことにしました。
僕は新宿バルト9の朝10時からの回に行ったのですが、予想外に映画館がとても混んでました。
チケット売場は長蛇の列。ネット販売で予約しておいてよかったです(*^_^*)

新宿バルト9のチケット売場

さて、映画「潜水服は蝶の夢を見る」の感想ですが、とても素晴らしい作品だと思います。
見ていて2時間飽きることがなかったですね。

映画のシーンの半分ぐらいは、主人公(全身麻痺となった自身を綴ったこの映画の原作者。元ELLE編集長だそうです)の目線で展開していきます。その見せ方がとても巧妙でして、劇場のスクリーンは主人公が唯一動かせる左目の視野となり、音響(劇場のスピーカー)は、主人公の耳と心の声の役割を果たします。
左目でぎょろぎょろと辺りを見回したり、日差しのまぶしさに目を細めるたりするようなカメラワークは見事で、映画を見る者に、座席にしばられて身動きが取れないかのような錯覚さえ与えます。

潜水服は蝶の夢を見る

スクリーンは時に切なく、そして時にユーモラスです。
主人公が目にする家族や友人、看護師や医学療法士たちのうろたえた表情、悲嘆に暮れた表情、あるいは喜びの笑顔が心を揺さぶります。その一方で女性のブラウスの胸元に視線がちらちらと行ったりするなど、男なら思わずニヤッとしてしまうクローズアップショットもあります。でも、スカートからのぞく太ももを視線を移すあたりは何だかとても悲しげでもありました。

潜水服は蝶の夢を見る

大方の映画は主人公の表情や言動(主役の演技ですね)をフィルムに収めて、それでもって映画を見る者に訴えるわけですが、この映画は随分と手法が違います。
映画のシーンに思わず心がキュッとなって自分の目に涙がにじんできたら、あっ、スクリーンがにじんでる!

主人公が目にしたもの、耳にしたもの、彼の詩情あふれる独白と回想、それらの描写から主人公ジャン=ドミニク・ボビーの心の内を推し量る、そんな感じの映画です。
静かな感動を呼ぶという表現がふさわしいかもしれません。
登場人物が泣きわめくシーンで魅せようとする、あるいはそれを売り物にしているような映画とは一線を画す見事な作品だと思います。

「世界の中心で愛を叫ぶ」あたりからでしょうか、ここ最近の日本映画は、泣きわめいている俳優を見せて感動させようとしているような気がします。予告編なんか「感動させてやるよ」みたいな感じでどうも好きになれません。

潜水服は蝶の夢を見る公式サイト
posted by じ・えっじ at 17:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月11日

夏の思い出Part1 大菩薩峠ハイキング

これだけ寒い日が続いていると、なんだか夏の暑さが恋しくなります。
そんなわけで、昨年夏のハイキングをちょっと振り返ってみました。

昨年の夏は、大菩薩峠と西沢渓谷の2カ所でハイキングを楽しみました。
大菩薩峠は、結構体力がいります。暑くてすごい汗をかいたように記憶しています。

大菩薩峠 分岐点
唐松尾根分岐点

この日はちょっとばて気味で、福ちゃん荘のある分岐点から大菩薩嶺方面に向かう途中でしんどくなちゃいました(^_^;)
でも、展望が開けてくると不思議と元気が出てくるものですね。やっぱり富士山は気持ちの上での道しるべみたいなもので、富士の姿が見えると登っている実感が湧いてきて楽しくなります。

大菩薩峠 富士山
右手(南側)には富士山が。

大菩薩嶺の少し手前の雷岩からの眺めはいいですね。甲府盆地の広がりと雲の上から頭をのぞかせた富士山を見ることができました。

大菩薩峠 甲府盆地
雷岩から眺める甲府盆地

僕は稜線上を歩くのとても好きです。雷岩から大菩薩峠までの尾根伝いの道はとても快適です。空気が澄んでいれば西の方向に南アルプスの山並みが見えるそうなのですが、水蒸気の多い夏場は厳しいですね。
まあ、北岳ぐらいはうっすらとは見えましたが。

大菩薩峠 雷岩からの尾根
雷岩から大菩薩峠方面に続く尾根

下山途中の山荘で一服しましたが、山荘のご主人の「山の花がだめだねぇ。大菩薩も雲取山も昔は高山植物目当てで人がにぎわったんだけど…。温暖化の影響で鹿が花の芽を食べるようになちゃってね」という言葉が今でも記憶に残っています。
地球温暖化の影響はどうやらあちこちで出ているようですね。その実感がなく脳天気でいられるのは都会人だけかもしれません。

大菩薩峠 ラムネ
下山途中の山荘でラムネで水分補給。
ほっとさせるような味ですね。特に疲れた体には。


大菩薩峠 富士見山荘
富士見山荘。
別に泊まったわけでも休憩したわけでもないのですが、
なんだか雰囲気がよかったので撮りました。
posted by じ・えっじ at 01:01| Comment(0) | TrackBack(0) | ハイキング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする